私はおよそ5年ほどカニ通販業界にいました。
この業界に3年もいるとカニ通販のイロハは当然で、カニを食べたいときにどこで買うのがお得か、お歳暮などギフトならどんなカニがいいかを熟知しています。
せっかく奮発してカニを贈ってお互いバツの悪い思いすることはイヤですよね。
そこでカニ店長を勤めていた経験を活かし
お歳暮やギフトに贈ると恥をかくものを教えますね。
目次
お歳暮でギフトに向いているカニとそうでないもの
私がカニ通販ショップの店長をしていた時は、12月の売上のうちのだいたい3割がお歳暮といったギフトの注文でした。
それは、お歳暮のしをつけるという注文が来ていたのでわかりました。
では、お歳暮でカニを贈る際の注意点を語ってゆきますね。
その前に、お歳暮の作法についておさらいしますね。
お歳暮の作法について
お歳暮は日頃お世話になっている方に向けて贈りますね。
代表的なものは仕事関係の人物で、会社の上司とか取引先の担当者ですね。
実は会社の上司にお歳暮を贈るというのって、カニ屋元店長にはそういう発想がありませんでした。
会社員にとって上司の機嫌を取っている人って普通のことなのですね。
その他に恩師や実家の両親などが一般的ですね。
日頃の感謝をすることでお歳暮を贈りますね。
お歳暮に向いていない品物
出産祝いやお祝い返しなどで万能な現金や商品券はお歳暮に不向きと言われています。
特に目上の方に贈る場合は特に厳禁とされています。
これは送る相手に
お金に困ってるんだろ？
ということを連想されることだからです。
お歳暮でNGな品物では靴下や下着などの衣類があります。
靴下は踏みつけることを連想ということで
下着は
「もっといい物を身に着けろよ！」
という上から目線になるからダメということです。
刃物というのは物を切るものです。
そこで、縁を切るということを連想させるのでダメなのです。
ハンカチも縁を切るということを連想されるものです。
それはハンカチの日本語で手巾（てきれ）手切れとかけています。
刃物もハンカチも縁を切ることを宣言するということでNGとなります。
時計や万年筆などの筆記用語は勤勉の奨励を意味する贈り物です。
目上に方に対して
「もっとがんばれよ！」
と上から目線になるため贈ってはいけません。
こうして改めてお歳暮の作法を調べると、NGな品物が送ってはいけない理由があることに驚きます。
そこで食品やお酒が無難となりますが、お酒は実はお酒が嫌いな人や禁酒している人にとって当てつけになりますので贈りどころが難しいです。
そういう意味ではお歳暮にカニを贈るというのは、ものすごく理にかなったものとなりますね。
やはり訳ありのカニはお歳暮に向いていない?
お歳暮などのギフトでカニを贈る際にNG要素の高いものは訳ありのカニです。
元カニ店長の結論から言うと訳ありのカニでも訳ありの状態と贈る相手によっては十分アリと考えます。
身入りの悪いカニの場合
訳ありのカニでも身入りの悪いものは論外で絶対ダメです。
というよりも
身入りの悪いカニ自体を選ぶ自体がギャンブルです！
こういった身入りの悪いカニは、箱を開けた時の見た目がすでに良くなくて、下手をすれば食欲が沸かない場合もあります。
また、カニの殻を剥くと当然スカスカで、そのまま食べるよりも味噌汁に入れてカニ汁にするくらいしか使い道がないです。
身入りの悪いカニというのは正規品のカニに比べてかなり安いですが、安いなりの理由があるわけです。
そして、こういうカニに飛びついてしまうお客さんほど、後でクレームをしてきたり楽天レビューなんかで酷評してきます。
例えば、楽天市場で売っているこの紅ズワイガニ脚ですが
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この紅ズワイガニは買い物カゴ横の商品説明で身入りは6～7割ほどと明言しています。
元々紅ズワイガニはカニ肉が水っぽくて、実入りが悪い傾向があるんですよね。
そのため楽天レビューを見るとこのような感じです。
こうして見るとレビューのスコアー自体はいい商品です。
しかし、数は少ないですが星１のレビューを見てみると….。
このようにお歳暮やギフトで訳ありのカニを贈って、気まずい思いをしたレビューが入っています。
身入りが悪いのはともかく、2kgで16肩ということなので1肩は125g前後となります。
ズワイガニ足でLサイズが200g前後なので、そう考えると1肩が小さいですね。
三番目のレビューの方が言っているとおり、紅ズワイガニというのはカニ缶やカニカマなど加工品として広く用いられています。
そもそも紅ズワイガニは一般的にお歳暮やギフトには向いてないんですよね。
この購入者さんはリピーターのようですが2回目にはハズレを引いた模様です。
訳ありのカニの魔物はそこに潜んでいます。
この身入りが6～7割ほどというのは、原料全体の平均が6～7割ほどということです。
そのため、普通に実入りの良い単体もあれば、身入り5割以下のスカスカのカニも入ってるんですよね。
そう、訳ありのカニというのは、品質に大きなバラツキがあるわけです。
決してカニ屋元店長はこの紅ズワイガニをディスってるわけじゃありません。
こういうカニはお歳暮よりも自宅用として、訳ありのカニということを自覚しましょうね。
ということです。
身入りの悪いカニはお歳暮などのギフトは
当然贈る相手にケンカ売ってるのかな？
って思うくらいです。
身入りの悪いカニをお歳暮で贈るのはダメ絶対！
足折れの訳ありのカニ
訳ありのカニでも足が折れているものに関してはギリギリアリかなと思います。
こちらの訳ありのカニは元々足が折れていたり、足ポーションの加工中に折れたものです。
上記のようなズワイガニ足の生冷凍ズワイガニ足ポーションは訳あり品ですが、ギフトにも使えるかなと思います。
ただし、こういった訳ありのカニは
贈る相手を考える必要がありますね。
気心の知れた関係や、日頃からおすそわけをし合っている相手なら贈ってもいいかなーって思います。
そのため上記のようなカニセットは目上の方へのお歳暮などには向いていません。
続いて、各種カニセットをどのような方に贈るといいかを説明しますね。
生冷凍のポーション
お歳暮などのギフトでカニしゃぶをするのに生冷凍ズワイガニ足ポーション、カニ爪、生冷凍タラバガニポーションなどのカニです。
今では、カニ通販は生冷凍のカニが主流ですが
生冷凍のカニは解凍に神経を使います。
ズワイガニでもタラバガニでも生冷凍のカニの解凍を間違えると台無しになります。
ズワイガニの場合は黒く変色をします。
上の写真ではズワイガニの身の一部が黒いですが、さらに時間が経つと真っ黒けっけになります。
そして、ズワイガニもタラバガニも解凍に時間をかけるとカニの身が酸化してカニの旨味もクソもなくなります。
生冷凍のカニの解凍は自然解凍は絶対ダメです！
流水解凍でお召し上がりになる直前に流水解凍で手早く解凍してください。
生冷凍のカニの解凍はこちらを参照してください。
そのため贈る相手の性格や経験を考えて、生冷凍のカニを贈るのを考えたほうがいいです。
一度でも自分で生冷凍のカニを使って、カニしゃぶやカニ鍋をしている方は大丈夫です。
生冷凍のカニを贈って失敗するのは一度も生冷凍のカニを自分で調理の経験のない方で
何でも説明書を読まないタイプの人は要注意です！
私がカニ屋の店長をしていて解凍が原因で残念なことになった例をお話しますね。
それは娘から母親に生冷凍ズワイガニセットを贈ったものですが、とある12月の夕方にかの母親からこのように電話がかかってきました。
敵「今日カニを食べようとして朝からカニを解凍したらカニが腐ったけどどうなってるの！」
敵「明らかにカニがおかしいから新しいカニを送り直してよ」
そこで解凍の仕方が原因でズワイガニが黒く変色したことと、カニの解凍についての説明を懇々としました。
敵「私は料理が得意だから解凍の仕方は知ってる」
とか
敵「そんなに普通の解凍方法じゃないなら箱にその旨を書くべきじゃないの？！」
などと自分が説明書を見ないで解凍したことを棚に上げて好き勝手言ってきました。
私の店では解凍の失敗でのクレームは一切聞き入れない方針だったので、相手の要求は突っぱねましたが、クソ忙しい12月にこのクレームで貴重な時間を浪費してしまいました。
このように、なまじ料理に自信があると自称している方ほどこのような事故が起こるのです。
お歳暮でカニを贈るならボイル冷凍のカニが一番無難
お歳暮でカニを贈る場合は訳ありのカニや生冷凍のポーションは贈る相手を選ぶものとなっています。
そこでお歳暮にカニを贈ろうと思ったときに、ボイル冷凍のカニを選んだ方が無難な場合があります。
まず贈る相手がどんなカニが好きかを想像します。
誰もが大好きなダラバガニ
女性や子供に人気の甘いズワイガニ
お酒好きな相手ならカニミソがウリの毛ガニ
そして贈る相手の家族構成も考える必要がありますね。
カニ通販の商品ページにおおよその召し上がり人数が記載されています。
そこで家族構成と人数に合わせてカニの量を選びましょう。
常識的に考えて、4人家族の家に2人前のカニを贈るのはちょっとありえないですよね。
お歳暮ギフトにカニを贈る場合のまとめ
カニは冬の食べ物のイメージなのでカニをお歳暮に選ぶのは自然な流れです。
そこでお歳暮にカニを選ぶ際のまとめとして次のことを気をつけましょう。
- 訳ありのカニを贈る場合は折れの訳ありを気心の知れた相手ならアリ
- 生冷凍カニポーションは未経験の相手や説明書を読まない性格の人はNG
- お歳暮でカニを贈るならボイル冷凍のカニを贈るのが一番無難
- 贈る相手の家族構成や家族の人数も忘れないこと
お歳暮でカニを贈るのはとても喜ばれますが、贈るカニを間違えると一転お互い気まずい思いをします。
気をつけてカニを選んでください。
この記事のコメント
私はこのサイトのアンケートを取っています。
その際にこの記事についてのコメントを公開しますね。
蟹のこと分かっているようで分かっていないきちんと理解してクレームを入れ対処してもらえば大物を自分が絶対っ正しいと思っている消費者がいかに多いか判った。
カニを買う時でも事前にしっかり譲歩収集して正しく取り扱い楽しく美味しく頂きたいと思いました。
贈物で喜ばれそうなのに、送ってはいけないものがあること自体知らず、勉強になりました。
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