冷凍のカニや海産物の在庫管理とカニの売れる時期とは

元カニ店長裏話

2021.07.172017.03.10

カニ屋の在庫管理の話
カニ屋の在庫管理の仕事の仕方

カニ屋の在庫管理の話

私はカニ屋に入って入社当初から在庫管理を任されていました。
カニ通販業界に入社直後は不慣れのためいろいろ失敗をしました。
その時のことを懐かしみつつ語ってゆきます。

カニ屋の在庫管理の仕事の仕方

当時の在庫管理の業務内容というのは、その当日入った注文と発送日を把握してシステム上と実在庫を確認して、発送日当日にきちんと商品が出荷できるように確保してゆくという業務です。
入った当初は慣れていなかったこともあり、何度か欠品を起こして店長や出荷担当者に怒られていました。

当時の在庫管理はシステム上では入出庫はきっちりとしてますが、実在庫の方はPOSシステム等はなかったためわりとガバガバでした。
冷凍庫には大まかにネットの出荷で使うものと他部門で使うものが分かれていますが、わりと部門間で在庫を融通しあったり、商品によっては共通在庫にして在庫管理していました。

しかし、いつのまにネット通販で管理している商品を持ち出されて、出荷当日に足りないことが発覚するということが度々起こりました。
にっちもさっちもいかなくなり、お客さんに平謝りで到着日を変更するということもありました。
わりと中小企業というのは、システムの稚拙さと担当者の意識の低さが混ざると、起こり得ることだと思います。

仕事を長年やっていると自分の使う量と他部門で緊急で使いことを想定して、一つ一つの商品の在庫の機微がわかってきて、最悪な事態を回避できる知恵もついてくるわけです。
例えば、無断で他部門に持っていかれないように、私しか知らない場所に在庫を隠すなどです。

商品のエア出品について

在庫管理をやっていて一番シャレにならないのが、もうどうやっても手に入らない商品を売ってしまう行為です。
もう出荷のしようのないものを売ったわけで、そうなると注文者に平謝りしてキャンセルするわけです。

私の個人的な考えですが
通販業者にとって欠品という行為は恥じる事だと思っています。

私自身がそういう考えを持っているので、私が通販を利用する際も相手にそれを求めがちです。
特にドラッグストアーのネット通販なんかはアイテム数が10万点とかあるので、とりあえず売上を確保したいがために
欠品状態にも関わらずエア出品をしていて
「ご注文の○○は欠品のためキャンセルさせていただきます」
とか気軽に言われてしまうことがあります。

私からすると
「は？ふざけんなよ！」
って思ってしまうのですよ。
私は在庫切れには相当神経を使っていたのに、そんな簡単に言いやがって！って思っちゃうわけですよ。

例えばそのショップが8,000円以上で送料無料とかで、欠品することによって8,000円切ったとしたらどうすんの？
ってちょっと面倒なことにもなりますしね。

カニが1年で一番売れる時期は

カニという商品は一番需要のある時期というのは12月です。
カニ屋にとって12月は勝負の月であります。
ここで上手くやるか下手を打つかで、その年の業績が確定するといっても過言ではありません。
私の店では12月の売上が全体の７割を占めるほどでした。

だいたい11月より少しずつ注文が増えてきて、12月に入ると注文もガッツリ増えてきます。
それに比例して問い合わせの電話やメールも休みなくやってきます。
しかも、カニの着日は年末の12月29日着から12月31日、翌年1月1日に集中しています。

平月はガランガランな冷凍庫も12月は足の踏み場もないほど商品に溢れて、カニの入庫もトラック一杯に商品が届きます。
そして、同時に出荷もケタ違いに増えるわけです。
この時期はヤマト運輸や佐川急便といった運送業者もアルバイトや社員が出荷場に常駐するようになります。
ケタ違いに出荷される荷物を受け入れて、運送会社が雇った庸車の大型トラックに受け入れた荷物を集荷場に運んでいかれるわけです。

12月というのは荷物がケタ違いに増えるので、出荷の荷造りも普段やっていない人が担当するため、荷物の入れ間違いや数量間違えが少なからず発生してしまいます。
また、運送業者も同じく普段慣れない人が配送に関わるため温度帯を間違えたり、荷物が行方不明になったり、運送事故の発生の確率も増えます。

私がカニ屋に入る前に12月に通販を利用した時に、あまりに届かないため佐川急便に問い合わせをしたところ、ドライバーが電話に出て
「すいません、荷物がいっぱいでいつ届けられるかわかりません＞＜；」
と、半泣き声で言われてしまい、なんか申し訳ない気分になりました。
運送業者にとっても12月は最盛期な時期なわけです。